運動後の疲労回復に最適な入浴温度は?

運動後の疲労回復に最適な入浴温度は?

仙台大学大学院スポーツ科学研究所の論文に
運動後の疲労回復に及ぼす入浴効果に関する研究発表が出ていました

入浴は古くから新陳代謝の亢進、保温、精神的、身体的疲労の回復に効果が
あるとされてきましたが

大学院の研究で中程度の運動と高強度の運動を行い
25℃と38℃の入浴と入浴しないでの疲労回復度を
体温・血中乳酸値の測定と主観的な疲労感・温冷感の聞き取りをしています

入浴が身体に与える生理的効果として
1.温熱作用 高温浴や冷水浴(25℃以下)で交感神経興奮がおこり
微温浴や温浴(37℃~40℃)では副交感神経系が優位となり
鎮静作用が働きます

2.静水圧作用 呼吸運動・心臓の働きが活発になる

筋肉痛の原因とされる乳酸はどのように取り除かれるの?
乳酸は筋肉の収縮のエネルギー供給の段階で糖が使われ、
最終的に残ったものです

乳酸のままでは再利用ができないので肝臓に運ばれて
酸素と結合することでATPに再合成されて筋肉の収縮に使われるか
グリコーゲンとなって貯蔵されます。
※乳酸を取り除くため(肝臓に運ぶため)酸素が必要となるので
呼吸が荒くなるのです。

以上のことから運動後に入浴する際の温度は何度が最適なのか

1.中程度の運動(トレッドミルで30分間70%の走力でランニング)
25℃冷水浴-乳酸除去率は他と比較して高いレベル
体温は最も下降
冷感は入浴直後に感じるが徐々に軽減

38℃高温浴-乳酸値除去率は入浴しないより高いが25℃冷水浴より低い
体温は緩やかに低下した後上昇
適温に感じる

入浴しない-乳酸除去率は一番低い
体温は適時低下

結果
中程度の運動では
25℃の入浴は乳酸除去率が一番高く、適度な寒冷刺激が血流を増加させ
肝臓での乳酸除去率を促進させてくれます
また交感神経系の活動が活発になるので、心臓の働きに伴い心拍出量も上昇することから
身体に過度な負担を与えずに疲労回復ができる

.高強度の運動(トレッドミルで30分間100%の走力でランニング)
25℃冷水浴-乳酸除去率は他と比較して低いレベル
体温は入浴直後には低下するがすぐに上昇してくる
冷感は入浴直後に感じるが徐々に軽減

38℃高温浴-乳酸値除去率は他と比較して高い
体温は緩やかに下降する
適温に感じる

入浴しない-乳酸除去率は一番低い
体温は適時低下

結果
高強度の運動では
38℃の入浴は乳酸除去率が一番高く、適度な寒冷刺激が血流を増加させ
肝臓での乳酸除去率を促進させてくれます
また交感神経系の活動が活発になるので、心臓の働きに伴い心拍出量も上昇することから
身体に過度な負担を与えずに疲労回復ができる

この画像には alt 属性が指定されておらず、ファイル名は 1262-5912.jpg です

以上の結果から

中程度運動のように運動終了時に核心温のピークを迎え、その後の時間の経過に
ともなって徐々に下降するような場合は低水温の入浴が速やかな生理反応の回復を
もたらし、適度な寒冷刺激となり一部肝臓で行われる乳酸除去を促進するような
効率の良い疲労回復が見込める
高強度運動のように運動が終了してもなお核心温が上昇し、主動筋における産熱が
なだ蓄積状態にある場合は低温の入浴は皮膚血管を収縮させ放熱を妨げ、
ふるえによる体温調節を行い体に負担をもたらす
ぬるめの水温は血液循環を促し運動後の疲労回復を効率よく行う結果となった。
(運動後の疲労回復に及ぼす入浴効果に関する研究/仙台大学大学院スポーツ科学研究)